ワキガの原因は遺伝?多汗症となにが違う?対策方法
体臭は自分ではなかなか気がつきにくいものとされており、だからこそ「臭くないだろうか?」と気になってしまうものではないでしょうか。
特に強い匂いは「ワキガ」と言われ、隠していてもばれてしまうほどの独特な臭いを放ちます。
自分や家族に対して「もしかして、ワキガかも?」と思ったときには、原因と対処法を確認しておくことをおすすめします。
記事監修者
新宿美容外科クリニック 美容皮膚科医
戸枝 幹夫
専門は美容皮膚科。脱毛やお肌の悩みについて、スタッフと連携しながら、常に新しい技術を探求して取り入れており、スキンケア分野で進化し続ける美容皮膚科医を目指している。
患者さまによって肌状態は様々であり、一般的に対応できるアプローチでも、場合によってはやめた方が良い場合も有るので、患者さまの抱える悩みをしっかり伺ったうえで、ベストな方法を提案するよう取り組んでいる。
コメント:治療のメリットだけではなく、デメリットも包み隠さずご説明しております。デリケートな悩みも、どうぞお気軽にご相談ください。
目次
そもそもワキガとはどんな症状?
ワキガとは、ワキから非常に強い、独特な臭いが出てしまう症状のことです。
一般的にはワキガと呼ばれていますが、正式には「腋臭症(えきしゅうしょう)」と呼ばれる、れっきとした「病気」です。
そのため、医師による診断のもと医療機関で治療されることもめずらしくありません。
「自分もワキの汗の匂いが気になってしまう」、「もしかしたら、ワキガかも?」と不安になってしまうこともあるでしょう。
ワキガが発症している際にも、その程度は人によって違い、また自覚症状の有無も異なります。
自分では「ワキガかもしれない」と思っていても実際のところ問題がないケースもあれば、自分では気がついていないけれど周りの人は気が付いているというケースもあります。
重度のワキガになれば、その人のいる空間は独特の匂いがたちこめ、周りの人もすぐに気がつくことになります。
ワキガと「多汗症」の違いとは?
ワキの汗にまつわるトラブルとして、ワキガのほかに「多汗症」もあります。
多汗症の場合も、汗をかいたあと放置していると匂いがキツくなってしまうことから似たような症状と勘違いしてしまうこともあります。
しかしワキガと多汗症は、まったく異なる症状です。
ワキガはあくまで「ワキの臭い」にまつわる症状です。
汗をかけばほとんどの人が「汗臭い」と感じると思いますが、ワキガはただの汗臭さとは違う、独特な臭いを放ちます。
それに対して多汗症は単純に汗の量が増える病気であり、臭いはワキガの臭いとは違っていわゆる「普通の汗の臭い」になります。
ただし、ワキガと多汗症が併発している場合もあるため、不安な場合は医師に診断してもらうとよいでしょう。
ワキガになってしまう原因とは?
ワキガの原因として、汗に分泌された皮脂や細菌が混ざってしまうことが考えられます。
汗をかいた直後はほとんど無臭と言われていますが、同時に排出された老廃物や皮脂によって臭いが発生してしまうと考えられています。
特に、アポクリン汗腺と呼ばれる汗腺から排出される汗が、ワキガの原因につながると言われています。
アポクリン汗腺から出る汗そのものが臭いを放つわけではないのですが、そのあと皮脂や細菌の影響を受けることで独特な臭いを放ちやすくなるのです。
つまり皮脂の分泌が盛んであることも、ワキガの原因になると考えられるでしょう。
皮脂の排出につながりやすい、脂っぽい食生活をしている人はそれだけワキガの臭いに悩まされる可能性が高くなります。
分泌された汗や皮脂がムレやすい状態も臭いのもととなるため、ワキ毛の処理を怠っていたり、ムレやすい服装をしていたりすることも臭いに影響します。
さらに精神的なストレスや不安が多い環境にいる人も、ワキガの原因になる可能性があります。
ワキガは遺伝するもの?
ワキガは遺伝すると耳にしたことがある人も多いと思いますが、結論からいえば「遺伝の影響を受ける場合もあれば、受けない場合もある」といえます。
アポクリン汗腺の多さや大きさは人によって違いますが、体質的に多い人、大きい人はどうしてもワキガになりやすいものです。
しかし、遺伝とはまったく無関係に後天性の原因でワキガになる人もいます。
「我が家はワキガの人がいないから安心」というわけでも「両親ともにワキガだから自分もワキガになってしまう」というわけでもありません。
遺伝の影響は少なからずありますが、油断せずに対策すべきでしょう。
ワキガかも?と思ったときのセルフチェック
どうしても、臭いの問題は自分では気づきにくいものです。
「ワキガかも?」と思ったら、次のような項目を見ながら確認してみましょう。
◇両親、もしくはどちらかがワキガだ
◇耳垢が湿っぽい
◇日常的にストレスを感じやすい
◇脂っぽい食べ物が好き
◇服に黄色のシミができてしまう
◇体毛が濃い
◇身体に密着するような通気性の悪い服を身につける機会が多い
◇他人から汗の臭いに言及された経験がある
このような項目に当てはまっている場合、ワキガの可能性が疑われます。
もちろん「必ずワキガです!」と断定できるわけではないので、必ず医師へ相談し、適切な判断を仰ぎましょう。
ワキガの対策方法
ワキガの可能性が疑われたら、日頃からワキを清潔に保つように、これまでよりも強く意識をしましょう。
汗をかいたら汗拭きシートでこまめに拭き、シャワーだけでなくしっかり湯船につかるなどの対策を心がけるようにしてください。
しかしそれだけで改善へ導くのは難しいですから、医師へ相談しながら適切な対応をする必要があります。
ワキガの治療にはメスを使うもの、使わないものなどさまざまな方法があり、状況に合わせて最適な方法を選ぶことができます。
そもそも本当にワキガであるかどうかは、医師の診察のもとで判断しなければわかりません。
臭いというデリケートな問題ではありますが、一人で抱え込まずに、まずは医師へ相談してみましょう。
まとめ
ワキガは遺伝、食生活、ストレスなどさまざまな原因によって発生してしまうものです。
セルフチェックをした上で、もしワキガの可能性が高いのならば日頃から清潔な状態を心がけるとともに、適切な治療を行いましょう。
自分では気づけないことも、また自分ではワキガだと感じていても実際は違うということもあるからこそ、早い段階で医師に相談することをおすすめします。
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