要注意?!セルフダーマペン
近年SNSなどで人気のダーマペン。
“ダーマペン”と検索をすると、クリニックのホームページなどと一緒に、通販サイトが出てきます。
ダーマペンを自分で家庭で行う、“セルフダーマペン”が流行っているようです。
「やってみたいけどクリニックだと費用が高い。」
「SNSで○○さんがセルフダーマペンをしていたのを見たからできそう。」
などの理由で“セルフダーマペン”を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか?
でもそれちょっと待って!本当に大丈夫?危険じゃない?
今回はセルフダーマペンについてクリニックとの差や危険性についてお話させていただきます。
記事監修者
新宿美容外科クリニック 美容皮膚科
荒木 看護師
日本脱毛協会認定看護師。2015年新宿美容外科クリニック入社後、医療脱毛、美容皮膚科、美容外科の分野で幅広く経験を積む。
コメント:お悩みは人それぞれですが、自分自身が変わることができた!と実感し、ぱっと笑顔になって喜んでいる患者様を見ると、この仕事をやっていて本当に良かったと心から思います。
これからも、美容の知識、経験を沢山積んで、患者様の「私らしさ×美しさ」を応援したいです。
脱毛やお肌のトラブルについて、ぜひ気軽にご相談くださいね。
目次
ダーマペンとは
まずはダーマペンとは具体的にはどのような治療なのかご紹介していきます。
ダーマペンとは先端に針のついたペン型の美容機器で、お肌に、目には見えない程小さな穴をあけることができます。
お肌に微細な穴をあける目的は2つあります。
1つめは“お肌に穴をあける=傷をつける”ことで創傷治癒力を引き出すということです。
私たちのお肌は、傷が生じるとそれを治そうとする力を持っています。これが創傷治癒力です。
傷がついたお肌は創傷治癒力によって、新しい組織で作られた以前よりも綺麗なお肌へと生まれ変わります。
つまり古い肌と新しい肌の入れ替えが可能になります。
これによってニキビ跡や毛穴の開き、肌質改善の効果が期待できます。
またお肌に傷がつくと線維芽細胞と呼ばれるものが活性化されます。
これによって創傷治癒の過程で新しい組織を形成するために、コラーゲンとエラスチンの生成が促されます。
つまりお肌にハリやツヤ、弾力をだすことができます。
シワやたるみの改善、アンチエイジング効果が期待できます。
さらに炎症を沈め、お肌の細胞機能を正常化させることができます。
例えば過剰な皮脂分泌を抑えることができます。
ニキビの予防や角栓の排出効果が期待できます。
もう1つの目的は、あけた穴から美容成分をお肌に入れることです。
美容成分とはダーマペンと同時にお肌に浸透させることのできる導入液のことです。
ダーマペン単体での治療も不可能ではないですが、せっかくダーマペンでお肌に穴をあけたのでそのままにしておくのは勿体ないと考えています。
穴があいているのでより早く効率的に美容成分をお肌に浸透させることができるからです。
奥深くに達した美容成分はお肌の内側から様々なトラブルに合わせた効果を発揮してくれます。
またお悩みに合わせて様々な美容薬剤があるので、他にも美容効果を追加することができます。
ダーマペンに必要なもの
ダーマペンを行うにあたって必要なものを確認してみましょう。
セルフダーマペンを行うにはこれらを自分で揃えなければならないということです。
ダーマペン本体
クリニックで使われているダーマペンは医療機器なので個人で購入することはできません。
セルフダーマペンを行うには類似品を購入する必要があります。
通販サイトなどで1万円前後で売られているようですが、安全性や商品の質について不安を感じる方もいらっしゃることでしょう。
滅菌された針
ダーマペン本体に付属してることが多い針ですが、直接肌に触れるため滅菌されていることを必ず確認しましょう。
また1回で使い捨てにする必要があります。
滅菌されてない針を使用したり、同じ針を繰り返し使用すると感染のリスクになります。
消毒液
感染や肌トラブルを予防するために消毒をしてから行う必要があります。
これはドラッグストアでも簡単に手に入るかと思います。
麻酔クリーム
針を刺す痛みを抑えることができるので用意することをおすすめします。
個人輸入で手に入るようです。
クリニックの麻酔は20分程度で効果が出ますが、市販のものに関しては効き具合や安全性について確認が必要です。
導入液
クリニックではお悩みに合わせ様々な種類の導入液があります。
ただしこれはどれも医薬品となっており、個人で入手することはできません。
セルフダーマペンをやるとすると、何も導入しないか市販のものを購入する必要があります。
導入液を購入する場合は、添加物等が含まれていないものが良いです。
セルフダーマペンのメリット・デメリット
上記のものを自分で揃えるとなると大変な気がしてしまいますが、なぜセルフダーマペンを行う方がいるのでしょうか?
セルフダーマペンのメリットとデメリットについて見ていきましょう。
メリット
費用が安い
クリニックでダーマペンを受けると1回数万円かかることが多いです。
それと比較してセルフダーマペンは物品を揃えるために初期費用はかかりますが、揃えてしまえばクリニックで施術を受けるよりも安価でダーマペンを行うことができます。
好きな時にできる
お仕事などで日々忙しく、思うようにクリニックに通えない方も少なくありません。
セルフダーマペンは自分のタイミングで空いた時間にできるので、これをメリットに感じる方もいらっしゃるようです。
好きな深さにできる
ダーマペンを行う際、肌悩みや状態に合わせて針の深さを調整する必要があります。
自由に針の深さを設定できるセルフダーマペンでは、自分が求める効果に合わせて深さを決めることができます。
ただし、ダーマペンについて理解し適切な深さにしないと、トラブルの原因になるのでデメリットにもなり得ます。
デメリット
必要物品を揃える手間がかかる
前項でお伝えしたように、セルフダーマペンを行うには必要物品を揃えなければなりません。
クリニックで行えば安全な施術道具や医薬品が用意されていますが、セルフダーマペンを行うには通販や個人輸入で手に入れなければなりません。
これには手間や時間がかかりますし、安全性などについて自分で確認する必要があります。
また揃えた物品を自分でメンテナンスする手間もかかります。
知識不足
流行ってるから、みんなやってるから、という理由でダーマペンを行いたい方もいらっしゃるかと思います。
クリニックで相談すれば、肌状態や悩みに合わせて適切な治療を提案できますが、セルフで行う場合は自分で見極めなければいけません。
また先程メリットでもお伝えしたのですが、ダーマペンは針の深さによって出る効果が異なります。
クリニックであれば肌状態に合わせて安全かつ効果的な深さを調整してもらえますが、セルフダーマペンの場合は自分で設定しなければなりません。
そもそもダーマペンが適切なお肌状態なのか、ダーマペンが良いとすればどの深さで刺せば効果的なのか、知識がない中で自分で判断するのは難しいかと思います。
適切ではないのにセルフダーマペンを行ってしまったり、適切ではない深さにしてしまうと肌トラブルの原因になってしまいます。
技術不足
ダーマペンはペン型の美容機器をお肌にあてて針を刺していくという治療です。
本来針を刺すというのは医療行為となりますので、無資格では行えません。
しかし、セルフダーマペンは自分で肌に針を刺す必要があり、難易度の高いものと言えます。
ダーマペンは施術技術で効果が大きく左右されると考えています。
セルフで行う場合に針が垂直にあたらなかったり、同じ箇所に針を刺しすぎてしまったりすると肌トラブルの原因となります。
また麻酔クリームの塗り方についても、技術不足でムラができてしまい痛みが残る可能性もあります。
そして消毒や衛生環境を整える技術も必要となります。
これが不十分だと感染のリスクとなります。
アフターケアが不安
クリニックでダーマペンを行う際、アフターケアがセットになっていたり注意点を教えてもらえます。
もし何か肌トラブルが起こった際に診察などのアフターケアも手厚いものが受けられます。
しかしセルフダーマペンではアフターケアを受けることはできません。
上記したような知識技術不足によって肌トラブルや感染症になったとしても、全て自己責任となります。
セルフダーマペンで失敗!なぜ?
セルフダーマペンにはメリットもありますが、デメリットも多く肌トラブルを改善するどころか悪化させてしまう可能性もあります。
次はセルフダーマペンでの失敗や危険性について大きく3つに分けてお話していきます。
ダウンタイムがひかない
✔︎赤みが数週間以上残っている
✔︎腫れが数週間以上ひかない
少なからず肌に針を刺し刺激を加えるダーマペンでは、ダウンタイムがあり赤みや腫れが生じることも多々あります。
クリニックで適切に施術した場合は数日程度で治っていきます。
しかしセルフダーマペンを行い数週間に渡って赤みや腫れがひかない場合は危険と言えるでしょう。
原因としては以下が考えられます。
✔︎施術間隔が短すぎる
✔︎同じ箇所に何度も針を刺してしまっている
✔︎針の深さが適切ではない
✔︎針を使い回している
✔︎不衛生な施術をした
✔︎アフターケアが不十分
効果がない
・肌悩みが改善しない
セルフダーマペンを行ったのにも関わらず、肌悩みが改善しないという方もいらっしゃるようです。
せっかく物品を揃えてセルフダーマペンをしたのに効果がないと残念ですよね。
原因としては以下が考えられます。
✔︎針を刺すのが怖い
✔︎お肌に針がうまく刺さっていない
✔︎針の深さが適切ではない
肌悩みが悪化した・肌トラブルが起きた
・ニキビやクレーターが悪化した
・色素沈着が起きた
・針の跡が残っている
セルフダーマペンで肌悩みが悪化したり、新たに肌トラブルが起きてしまう方がいらっしゃいます。
本来ダーマペンは肌悩みを改善し、美しい肌を目指すためのものです。
効果がないだけならまだしも、悪化したとなると失敗と言わざるを得ません。
原因としては以下が考えられます。
✔︎施術間隔が短すぎる
✔︎針の深さが適切ではない
✔︎ダーマペンのあて方の技術不足
✔︎アフターケアが不十分
✔︎施術後過度に紫外線を浴びた
クリニックであれば知識や技術を持ったスタッフから、適切にかつ効果的な治療が受けられます。
アフターケアについても手厚いサポートがあり安心です。
しかし、セルフダーマペンでは全てが自己判断となり知識や技術が不足しているため、上記のような危険や失敗の可能性があるのです。
やはりダーマペンは家庭で自分でやる治療としてはリスクが高いのではないでしょうか。
まとめ
さて、セルフダーマペンについてお話ししましたが、その危険性についてご理解いただけたでしょうか?
今回の内容を簡単にまとめましょう。
・ダーマペンはお肌に針で穴をあけることにより創傷治癒力を引き出すことができる。
ニキビや毛穴、肌質の改善が期待できる。また皮脂分泌を正常化させる効果もあり、ニキビの改善や予防、角栓の排出が可能になる。
・創傷治癒の過程でコラーゲンやエラスチンの生成が促される。
シワやたるみの改善の効果が期待できる。またあけた穴から美容成分を導入できる。
美容成分は肌の内側から様々なトラブルに合わせた効果を発揮する。
・本来クリニックで行うダーマペンを家庭で行うセルフダーマペンが流行している。
セルフダーマペンを行うには、ダーマペンの機器本体、滅菌された針、消毒液、麻酔クリーム、導入液などを個人で入手する必要がある。
・セルフダーマペンには費用が安い、好きな時にできる、好きな深さにできるというメリットがある。
・セルフダーマペンには物品を揃える手間がかかる、知識不足、技術不足、アフターケアが不安というデメリットがある。
・セルフダーマペンには、赤みや腫れが引かない、効果がない、肌トラブルが起きるなどの危険や失敗の可能性がある。
・セルフダーマペンの危険や失敗の原因は、治療間隔が短すぎる、針の深さが不適切、針のあて方の技術不足、アフターケアが不十分などの原因がある。
・クリニックであれば知識や技術を持ったスタッフから適切かつ効果的な治療が受けられ、アフターケアのサポートも手厚い。
・ダーマペンは家庭で自分で行うにはリスクの高い治療と言えるだろう。
クリニックのダーマペンとセルフダーマペンで迷っていた方や、セルフダーマペンにご興味がある方の参考になれば幸いです。
ダーマペンはかなり幅広い肌悩みに対応しており、長年お肌トラブルにお悩みの方や、お肌の美しさを目指す方にうってつけの治療だと考えています。
しかし、お肌に針を刺しあえて傷をつける、という難易度の高い治療です。
安全かつ効果的に治療をするためには、専門的な知識や技術が求められます。
セルフダーマペンは安価で気軽な印象があるかもしれませんが、習熟しないと危険や失敗の可能性があるリスクの高いものだということを覚えておいていただきたいです。
あなたの大切なお肌にとって適切な対応ができるように、セルフダーマペンのことをしっかり理解していただければ幸いです。
当院では無料カウンセリングを随時行っております。
セルフダーマペンで失敗して悩んでいる方、ダーマペンをもっと知りたい方、一度体験してみたい方はぜひ当院にご相談ください。
あなたの肌のお悩みを解決するお手伝いができれば嬉しいです。
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