ワキ汗の悩みを解消
多汗症は大きく分けて「全身性多汗症」と「局所性多汗症」に分けられます。 全身多汗症とはその名の通り、全身にわたり汗をかく病気です。その部位は胸、背中、お尻、お腹などにわたり、大量の汗に悩まされます。多汗症の中でもこの「全身性多汗症」は珍しいケースで、多汗症患者の10%程度といわれています。
全身性多汗症の原因は、もともとの体質による場合もありますが、なんらかの病気が原因となっていることもあります。全身性多汗症を引き起こす病気として知られているものには、甲状腺機能亢進症(バセドー病)、褐色細胞腫、糖尿病、自律神経失調症、結核、更年期障害などがあります。また、特に原因となる病気がない全身性多汗症もあり、これは「原発性全身多汗症」と呼ばれます。
一方の「局所性多汗症」は、特定の部位にのみ大量に汗をかく多汗症です。その部位は1ヶ所だけとは限らず、ワキと手と足といったように2~3ヶ所にわたる場合もあります。その場合、これらの部位に同時に汗をかくこともあります。
局所性多汗症の症状が出る部位でも特に多いのが、ワキの下、手のひら、足裏です。これらは精神性発汗部位といい、緊張など精神的な影響を受けて発汗が多くなる部位です。そのため、局所性多汗症は、交感神経の反応が過敏な人に多くみられます。
多汗症は、よく汗かきと混同されてしまいますが、多汗症と汗かきはまったく別のものです。どちらも大量に汗をかく、という点は同じですが、汗かきの人が大量に汗をかくのは、暑いときや運動をしたあとなど、体温調整が必要なときです。
それに対して、多汗症の場合は、体温調整の必要がないときに大量の汗をかきます。 多汗症か汗かきかの判別は自分では難しく、また、どのくらいの汗をかくと多汗症なのかという部分も非常に曖昧です。
多汗症の場合は、汗への不安を取り除くために精神安定剤が処方されることがあります。これは、緊張を和らげることを目的とするものなので、発汗への直接的な作用はありません。
直接発汗に作用する薬としては、汗をかく際に交感神経から出されるアセチルコリンという物質を止める抗コリン剤があります。しかし、この薬は、腺からの分泌を止める薬で、特定の部位だけでなく全身に作用するため、口の渇きや便秘、胃腸障害といった副作用もあるとされています。
多汗症の外用薬として、塩化アルミニウム液が処方されることもあります。塩化アルミニウムを皮膚に塗布すると、汗の出る穴が変性し、発汗を抑えることができます。手足よりもワキの多汗症に高い効果がみられます。発汗の抑制と同時に殺菌効果もあるため、ワキガにも効果的とされています。
多汗症の最終的な治療法とされているのが「胸腔鏡下交感神経遮断術」。これは、内視鏡を使った手術で、発汗の指令を伝える交感神経を遮断するもので、これにより、手のひらの発汗を抑えることができます。
手のひらの多汗症に強力な治療法ですが、ワキの下や足裏の多汗症の場合、この手術で汗が減少することもあれば、逆に増えてしまうこともあります。 手術は全身麻酔を使って行われ、手術自体は20分~45分程度で完了します。
この手術の副作用として「代償性発汗」があります。これは、手術によって特定の部位からの発汗が減った分を他の部位からの発汗で補おうとするもので、背中や胸、太ももなどからの発汗が増強します。この副作用は手術を受けた人のほぼ100%にみられるもので、この副作用が新たな悩みとなってしまうこともあります。そのため、手術は慎重に検討する必要があります。
メスを使わない多汗症治療として近年人気なのがボトックス注射による治療です。ボトックスとは、ボツリヌス菌がつくりだす毒の毒性を弱めたものですが、このボトックスには、発汗に作用する伝達物質であるアセチルコリンの分泌を抑制する働きがあります。
ボトックスを注入することでこのアセチルコリンの分泌を抑え、過剰な発汗を抑えます。効果には個人差がありますが、 およそ3か月~6か月程度持続します。注射する部位や皮膚の深さ、ボトックスの量などによっても効果に差が出ます。ボトックス注射での治療は、施術時間が短く、傷が残らないのが大きなメリットです。さらに、数回繰り返すことによって汗腺が萎縮していき、効果持続期間が長くなったり、効果そのものが高くなります。
ボトックスの注射によってメスを使わずに、汗腺に指令を出す神経をブロックし汗を抑えます。汗が原因のにおいも発生しなくなります。
脇や手のひらといった部分から大量の汗が分泌されるような多汗症の場合、汗を多くかく部位に直接ボトックス注射をすることによって、多汗症の症状が軽減される効果が期待できるとされているのです。
人体には、皮脂を分泌する皮脂腺と、汗を分泌するエクリン汗腺、アポクリン汗腺があります。暑い夏や、運動した時などにかく汗は「エクリン汗」と呼ばれるもので、約99パーセントが水分です。エクリン腺型の多汗症にボトックスを使った治療法がとられることがあります。
形成外科専門医としての
あらゆる形成美容外科領域での基礎をもとに、
満足していただける最高の結果を追求します。
1992年 | 千葉大学医学部卒業・千葉大学形成外科入局。 以後千葉大学および昭和大学の形成外科勤務。 |
2006年 | 都内美容クリニック 院長就任 |
2007年~2013年 | 都内美容外科クリニック 総院長就任 |
2014年 | 新宿美容外科クリニック 総院長就任 |
通常、術後3日~1週間で効果が現れます。
ワキの多汗症以外に、手のひらや足、額、うなじなどにも使用できます。男性、女性ともに治療可能です。
ボトックス薬剤の主な成分はボツリヌス菌という細菌から産生される「ボツリヌストキシン」と言われるタンパク質の一種になります。最近では美容目的として使用される事が多くなっていますがもともとは顔面神経麻痺・眼瞼痙攣など医療現場で使用されていた薬剤です。
個人差がありますが、効果は3~6カ月ほどです。露出の増える夏の間だけ汗やニオイを抑えたい方など、期間限定で行うことができます。
個人差もありますが、痛み・腫れはほとんどありません。ダウンタイムもなく治療後すぐに普段と同じ生活をしていただけます。ただし、当日の入浴は避けてください。軽めのシャ ワーなら大丈夫です。当日の飲酒も禁物です。効果が下がる可能性がありますので、気をつけて下さい。
※料金はすべて税込み価格となります。
スタンダード(50単位) | ¥30,000 (税込¥33,000) |
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プレミアム(100単位) | ¥60,000 (税込¥66,000) |